モニ塚です。
皆さんは海外の学校でどのように時間割が決まっているかご存知ではありません。
本記事ではニュージーランドにおいて時間割を決定するプロセス、何の授業をどのように受けているかなどを紹介していきます。是非とも留学生活の参考にしてみてください。
※本記事の内容はすべて私が通っている学校の話であり、地域などにより差異がある場合があります。
スケジュールの基礎知識
私が通っている学校では8時55分に始業のベルが、15時05分に終業のベルが鳴ります。この6時間強で毎日5コマの授業が行われます。
日本の学校とは異なり、生徒自身が科目の教室に移動する必要があります。先生にもよりますが、早めに教室に着いても開いてないことが多いのでベルが鳴ってから移動する人も多いです。
休みについては、授業ごとにある5分間の他、2限の次には「Interval」という長めの休憩時間があります。4限の次にも「lunchtime」という昼食のために用意された休憩時間があります。休みが多いのでリラックスできる休憩場所をいくつか知っておくと快適に過ごせるでしょう。
こちらは時間割の区分と各開始時刻です。
時間割 | 開始時刻 |
First Bell | 8:55 |
Period1 | 9:00 |
Period2 | 9:55 |
Hui Ako | 10:50 |
Interval | 11:15 |
Period3 | 11:40 |
Period4 | 12:35 |
Lunchtime | 13:30 |
Period5 | 14:10 |
Afterschool | 15:05 |
こうして並べてみると休み時間がかなり長いのが見て取れますね。
ちなみに、この時間割表にもあるように、うちの学校ではIntervalの前に「Hui Ako」という、日本でいうホームルームにあたる時間があります。
Hui Akoについて特に解説した記事を過去に書いているのでこちらも参考にしてみてください。
私の通っている学校は5コマの授業が全く同じ順番で毎日ローテーションしていくというシステムを採用しており、一週間を通じて同じ5科目だけをひたすら繰り返すことになります。
次章では履修可能な授業の一覧と私が実際に選択した科目を解説していきます。
時間割の決定
こちらが履修可能な授業の一覧です。
(だいたいYear13が高校3年生にあたります。)
ESL(English as a Second Language、第二外国語としての英語)をはじめとする英語系の授業、Mathematicsをはじめとする数学系の授業はニュージーランドの進級制度に基づき半ば必修となっており、事実上全5枠から3枠を自分で選ぶシステムになります。
日本の学校の学習プログラムの一環として留学する場合など自分で選べない場合もあるようですが、多くの留学生にとってこの授業選択はこれからの学校生活の快適さを運命づける最も重要な決定です。
私の通う学校では日本人がJapaneseの授業をとることはできない決まりになっていましたが、Japaneseの授業では学習の対象がよく知るものであることからあまり聞き取りが得意でない人にとって良い英語の練習になり、加えてクラスメイトがみんな日本に関心があることから友達ができやすいらしく、一見無意味に見えるJapaneseも十分選択肢に入ってくるようです。
私の場合は基本となるESLとMathに加え、Art、Business、General Scieneに決定しました。
ただ、一週間後にはこの時間割も変更することになります。次章では科目の変更について解説していきます。
科目変更の手続き
取った科目にイメージとのギャップがある場合、一定期間内に申請すれば科目の変更が可能です。
私の場合はMathがあまりにも簡単すぎたこと、General Scienceが意味不明な上教師が高圧的だったことを理由にその2科目の変更を申請、MathをMath Calculusに、General ScienceをDesignに変更しました。
変更にあたってはInternational Department(留学局)経由にお願いしてDean Center(学校を取り仕切る機関。遅刻した際もここに報告してから授業へ向かう)と連絡してもらい、実際にDean Centerで先生と話し合いながら授業を調整しました。
授業を変更したことで結果的に快適でやりがいのある学校生活になりました。学年が始まってから一定期間内でなくとも、正当な理由があれば授業の変更はいつでも可能なようです。みなさんも授業に不満があれば先生に掛け合ってみるといいでしょう。
各授業の内容、雰囲気
この章では各授業の雰囲気や内容について記述しますが、こんなものは学校や先生、クラスメイトによっていくらでも変わりうるのであまり鵜呑みにせず、「ニュージーランドの授業の雰囲気」ぐらい漠然としたイメージで捉えていただいて結構です。
こちらが現在の私の時間割表です。順番に従ってそれぞれ解説していきます。
Art Visual
紙と画材を使った美術が基本で、やってることは日本の美術の時間と大体変わりありません。
ただ、自分の作る作品に一貫したテーマが求められており、あまり狭いテーマにしてしまうと自分の首を絞めることになります。
一週間に5時間も制作時間がある関係で作品の量も膨大になります。最終的には制作した一連の作品群を一枚の大きいアートボードにまとめることになります。
Design
アートとは異なり、パソコンを使ったデザインが基本になります。
各生徒にはAdobeのアカウントが配られ、PhotoshopやIllustratorを使ったロゴデザイン、ポスター制作、コラージュ作品などを作ることになります。
Math Calculus
Calculusは微積分を意味します。名前の通り微積のみを専門に学ぶ授業です。
1、2学期では微分の定義から基本的な公式、それらを応用した文章題まで段階的に学び、現在3学期では積分の基礎からスタートしたところです。(ちなみにニュージーランドの学校は4学期まであります)
カリキュラムの面白いところが、不定積分を完全にマスターしてから定積分を改めて基礎から学ばされるところです。学習のステップとして合理的なのは納得できるんですけど、積分が実際どのように使えるかの図形的な例が一切示されないまま一通り学ぶのが変すぎます。
Business Practice
保険やローンについて学び、シチュエーション別にそれぞれのメリット、デメリットについて検討するなどします。
PDFとにらめっこしながら先生の話を聞いてたまに書き込むだけの授業形態なのでそこまで面白いものではないです。興味深くはあります。
ESL
日本の英語の授業で出てくる長文読解ぐらいの長さの文章がPDFで配られ、それを読んだ上で分析、感想などさまざまなアプローチで読解させられます。文章はだいたい2週間ぐらいのスパンで変わります。1つの文章を深掘りする授業スタイルです。
履修者は外国人しかおらず、日本人、インド人、台湾人、韓国人、アラブ人など、様々なルーツを持つ同世代の若者と授業を受けられます。
総合
Business、Mathなどは座って先生の話を聞く授業の性質上、やや生徒の態度は悪いですが、授業妨害や騒音で話にならないということは全くないです。
全体的に先生と生徒の距離が近く、授業中の質問や会話がラフに行われます。
先生によっては授業中のちょっとした食事や、作業中にイヤホンでBGMを聴くことなども許可されており、日本と比較するとだいぶゆるい雰囲気です。
課題はすべてGoogle Classroomで一元管理されており、各生徒に配られた学校用のGoogleアカウントとそれに紐づいたサービスを利用することで効率的で明快な学習を実現しています。日本ではよく課題の存在を忘れていたのでありがたいです。
まとめ
合理的なカリキュラムをゆったりしたスケジュールで受けられる環境です。人によっては日本より過ごしやすいのではないでしょうか。
先生も優しく、何か困っても大体なんとかなるので時間割決めだけは本気で取り組んで後はあまり気負わずこなしていきましょう。
記事は以上です。ありがとうございました。